TADオーディオスピーカーE2を徹底紹介!気になる音質や外見についても解説
TAD(テクニカル オーディオ デバイセズ・ラボラトリー)は、日本のトップオーディオメーカーです。本記事では、そんなTADの新しいモデル「TAD-E2-WN」について、設計面や性能などを徹底解説します。
TAD E2は2021年に発売されたモデルで、2021年ステレオサウンド誌のグランプリ「2022オーディオ銘機賞銀賞 」を受賞した業界内で非常に評価の高いスピーカーです。日本のメーカーが開発したハイエンドモデルの素晴らしさを、余すことなくお伝えします。
TAD E2とは?
形式 | 2.5ウェイバスレフフロア型 |
ユニット | ウーファー: 15.5 cmコーン型 ×2
トゥイーター: 2.5 cmドーム型 |
出力音圧レベル | 87 dB (2.83 V・1 m) |
再生周波数帯域 | 30 Hz ~ 60 kHz |
クロスオーバー周波数 | 90 Hz、2.8 kHz |
入力インピーダンス | 6 Ω (最小インピーダンス 4.5 Ω) |
許容入力 | 150W |
外形寸法 | 320 mm (W) × 1,085 mm (H) × 405 mm (D) (スパイク未装着) |
重量 | 32kg |
まずTADのサウンドコンセプトとして、「音像と音場の高次元での融合」があります。「音像」とは、再生している音があたかも目の前で演奏されているような様子を指します。そして、「音場」とは再生する場所のことです。
つまり、どんな音場であっても最高の音像感を届ける、というのがTADのサウンドコンセプトです。
そして、今回紹介するE2はそんな素晴らしい音像を提供しながらも、木目調のデザインを取り入れて、音場に視覚的な融合を実現することを意識して設計されたスピーカーとなっています。
TAD E2の特徴
TAD E2は、サウンドとデザインの両面がこだわり抜かれた素晴らしいスピーカーです。以下では、「トゥイーター」「ウーファー」「ADPシステム」「ネットワークフィルター」「エンクロージャー」の5つに分けて、E2の魅力を紹介します。
ベリリウム振動板トゥイーター
まずは、ベリリウムを採用したトゥイーターです。ベリリウムは頑丈さと軽量さが魅力の金属で、安定感がありつつも柔軟に振動する必要のあるトゥイーターに適しています。
本モデルE2にもベリリウムが採用されており、高音域の安定性とのびやかさに貢献しているといえるでしょう。
E2に搭載されているトゥイーターは「TAD-E1TX」や「TAD-ME1」にも使われている2.5cmベリリウム振動板トゥイーターです。「HSDOM」というコンピューター解析を用いてドーム形状を設計しており、こうした最先端の技術によって素晴らしい中高音域の再生性能を実現しています。
新開発 15.5cmウーファー
E2に採用された15.5cmウーファーは、このモデルのために新しく開発されました。表面に使用される「アラミド織布コーン」と裏面に使用される「針葉樹パルプ抄紙コーン」をそれぞれ形成した後、ラミネートして合体させる手法を用いた「Multi-layered Aramid Composite Cone(MACC)」という振動板を採用しています。
形状は浅型のカーブド形状で、補強をコーンネック部に追加した「デルタブレース構造」となっています。この構造によって、指向特性がスムーズになり、中低音域の再現性を高めているのです。
Bi-Directional ADPシステム
「Bi-Directional ADPシステム」とは、エンクロージャー底部に施された開口部のことです。このシステムでは、まずエンクロージャー底部にポートを作り、内部をホーン形状にして、ポートノイズを低減することに成功しています。
また、開口部を前後へ対称にレイアウトすることでエンクロージャーが不要に振動するのを防ぎ、ウーファーのパワーを余すこと無く音に還元するのも、このシステムの利点です。このBi-Directional ADPシステムによって、主に中低音域の再現性やパワーをさらに高めることに成功しています。
ネットワークフィルター
ネットワークフィルターとは、トゥイーターとウーファーで被ってしまう周波数帯において、位相干渉を低減するためのフィルターです。
この2.5wayフィルターと指向特性に優れたユニットを組み合わせることで、高音域から低音域まですべての音域で音像定位がクリアになり、サウンドコンセプトである音場表現を高い次元で実現しています。
SILENT エンクロージャー
SILENT(Structurally Inert Laminated Enclosure Technology) エンクロージャーは、高い共振抑制性能を持つエンクロージャーです。樺合板ブレース(補強)とMDF材パネルを組み合わせることで、強度を高めることに成功し、それにより不要な共振の抑制を実現しています。
また、天面の前方に丸みを持たせつつバッフル自体に傾斜をつけることで、トゥイーター回りの回折による影響低減や、重心位置の最適化、音場表現の改善にも成功しています。また、こうした傾斜や丸みはデザイン性も高めており、よりさまざまな音場に馴染みやすい外観になっているでしょう。
TAD E2の性能
上記のようにこだわり抜かれたパーツ選定と設計、そしてさまざまな工夫によって、素晴らしい音像定位を実現しているTAD E2ですが、ここからはE2の性能について具体的に解説します。以下では「外見」と「音質」に分けて解説するので、ぜひ購入前の参考にしてください。
TAD E2の外見
TAD E2の外観は木目調のデザインとなっています。このモデルのキャッチコピー「寛ぎの空間に、音楽が溢れる」にも現れているように、リビングなどの生活空間になじむ外観です。
また長方形かつ若干丸みのあるデザインが、無機質でなくあたたかみを感じるものとなっています。
生活空間に馴染むデザインですが、決して地味すぎる訳ではなく、木目柄サテン調の仕上げで華やかさも感じられます。つや消しの塗装は、下地の調整から吹き付け、研磨、トップコートまで熟練の職人がひとつひとつ作業しており、職人の技術を楽しめるでしょう。
TAD E2の音質
TAD E2の音質は、落ち着きのあるサウンドです。まず、従来のTADモデルと大きく異なるのは「同軸型ドライバー」が搭載されていない点です。
そのため、TADの従来モデルとは大きく異なるサウンドを想像される方も多くいますが、サウンドの傾向としてはこれまでのTADサウンドがしっかりと継承されています。
高音から低音まで非常にバランスが良く、パワーもしっかりとあるので大音量で音楽を楽しめます。また、TADのサウンドコンセプトである音像も素晴らしく、定位感もはっきりとしており、まさに目の前で演奏が繰り広げられているような感覚を体感できるのではないでしょうか。
こうした再現性と落ち着いた傾向のサウンドは、特にクラシックファンにぴったりでしょう。
TAD E2の買取はオーディオの買取屋さんへ
TAD E2について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。TAD E2は2021年ステレオサウンド誌のグランプリ「 2022オーディオ銘機賞銀賞 」を受賞している評価の高いモデルでもあり、サウンド・外観両面において非常に素晴らしい性能を持ったスピーカーです。
リビングやホームシアターにE2を導入したいと感じた方も多いと思いますが、1本約80万円、セットで180万円と簡単には購入できない価格です。そのため、今あるスピーカーを手放して、買い換えを検討される方も多いかと思います。
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